読書

2017年03月17日

火花

火花 又吉直樹著

遅ればせながら、文庫版が売っていたので読んでみました。
お笑い芸人ピースの又吉さんの著作ということで、大変な話題になっていました。
言わずと知れた芥川賞受賞作です。

芸人さんが書いて芥川賞受賞ということで、ついつい
「話題作りなんじゃないの?」
なんて思ってしまい、手が伸びませんでした。
が、読んでみたら大変おもしろく読ませていただきました。

最後だけ
「???」
という感じもありましたが、これで良いんでしょうね。
朋有り遠方より来たるという感じでしょうか?

火花 (文春文庫)
又吉 直樹
文藝春秋
2017-02-10



kochiya_blog at 14:48|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2017年03月08日

島はぼくらと

近ごろ、読書がマイブーム。
きっかけになったのがこの本。
<島はぼくらと>です。

中学2年の娘への私からの課題図書。
ラノベのような魔法とかなんだとか、そんな本ばかり読んでいる娘への課題図書。
なるべく興味を持つように、本の裏表紙のちょっと紹介部分を何冊か見ながら、けっこう厳選しました。

離島に暮らす高校3年生の悲喜こもごも?な物語。
最後は探偵団のようなこともします。
高校まではみんな一緒だけど、卒業するとみんなバラバラになってしまう物語。

春から高校受験を控える3年生になる娘にピッタリだと思いました。
で、自分も確認のために読む。
久しぶりに小説を読んでみて、たいへん面白く読めました。


島はぼくらと (講談社文庫)
辻村 深月
講談社
2016-07-15



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2017年02月27日

八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。

八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。 天沢夏月

なんとなくタイトルに惹かれて買ってみました。
おっさんが買うには表紙が恥ずかしいので、娘と本屋に行ったときに
「お前が買った風でヨロシク!」
って感じで購入。

高校生のひと夏の初恋物語です。
8月31日に彼女が亡くなるんですが、その後に過去の彼女と文通ができるというSF的設定です。
過去は変えられるのか?
ちょっとホロリとくる話でした。





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2012年06月25日

恐怖の初恋

娘が毎週ピアノ教室に通っているんですが・・・

ピアノ教室のそばに大きい本屋さんがあるんです。
娘がピアノ教室で授業を受けている間や、ピアノ教室が終わった後によく行く本屋。
最近の大きい本屋に有り勝ちの立ち読みスペースがあるんです。
amazonとかネットの本屋さんでは中身を確認してから買えないので、ネット本屋へのリアル本屋の対抗策なんでしょうかね?

そこで毎週立ち読み。。。
私は立ち読みしませんが、娘はずっとよくわからない子供向けの小説らしきものを立ち読み。
息子も絵本を持ってきて
「パパ、これ読んで〜」
と次々にいろんな本を持ってきます。

で、先日
「いい加減、立ち読みばかりじゃみっともないから
好きな本を買ってあげるから選びな〜」
と、息子が持ってきたのは
あらあら くまちゃん (くまちゃん絵本)あらあら くまちゃん (くまちゃん絵本)
著者:あかいし ゆみ
販売元:学研教育出版
(2012-04-10)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
こっちの本は可愛いもんです。
(ただしもう飽きて読んでませんけど・・・泣)

娘が持ってきたのはこれ・・・なんじゃこの本は〜Σ( ̄ロ ̄|||)
恐怖の初恋って・・・
表紙気持ち悪い・・・・orz
恐怖の初恋 (ちゃおノベルズ)恐怖の初恋 (ちゃおノベルズ)
著者:栖川 マキ
販売元:小学館
(2009-07-31)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
ロクに確認もせずお会計をしている最中に気づく・・・

お会計前に気づいていれば
「他の本にしてね」
って言ったかもしれない。
まぁ<活字に親しむのは良いこと>ということで、諦めるのか。。。
でもこの手の子供向けの小説って、日本語がおかしい気がするんですが。。。


ちなみに娘はこの本は3日くらいで読破。
こんなペースで読むもんだから、買ってあげたいけどお財布が大変です。

本を読む習慣付けと、その内容、そして財布。
なかなか両立は難しい。。。


っていうか本って高くなったよね?
そんな気がするのは私だけでしょうか???

kochiya_blog at 14:05|PermalinkComments(13)TrackBack(0)

2011年05月27日

永訣の朝 宮沢賢治

けふのうちに
とほくへいつてしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
   (あめゆじゅとてちてけんじゃ)*
うすあかくいっそう陰惨な雲から
みぞれはびちよびちよふってくる
   (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
青い蓴菜のもやうのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがったてっぱうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
   (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
蒼鉛いろの暗い雲から
みぞれはびちよびちょ沈んでくる
ああとし子
死ぬといふいまごろになって
わたくしをいっしょうあかるくするために
こんなさつぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ
ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから
   (あめゆじゅとてちてけんじや)
はげしいはげしい熱やあへぎのあひだから
おまへはわたくしにたのんだのだ
銀河や太陽 気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを……
……ふたきれのみかげせきざいに
みぞれはさびしくたまってゐる
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまっしろな二相系をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらっていかう
わたしたちがいっしよにそだってきたあひだ
みなれたちゃわんのこの藍のもやうにも
もうけふおまへはわかれてしまふ
(Ora Orade Shitori egumo)*
ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
ああ あのとざされた病室の
くらいびゃうぶやかやのなかに
やさしくあをじろく燃えてゐる
わたくしのけなげないもうとよ
この雪はどこをえらぱうにも
あんまりどこもまっしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ
   (*うまれでくるたて
    こんどはこたにわりゃのごとばがりで
    くるしまなぁよにうまれでくる

おまへがたべるこのふたわんのゆきに
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが兜卒の天の食に変つて
やがてはおまへとみんなとに
聖い資糧をもたらすことを
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ


*あめゆきとつてきてください
*あたしはあたしでひとりいきます
*またひとにうまれてくるときは
 こんなにじぶんのことばかりで
 くるしまないやうにうまれてきます


「心に響いた詩を教えてください」
というLiveDoor共通テーマです。
ちょっと詩が長すぎるんですけど、全文を引用してみました。

特に心に残ったのが
まがったてっぱうだまのやうに
という太字にした部分の表現です。
小学校で習ったはずなのに、いまだに明確に覚えているくらい。
解説を読むと
「まさに妹が亡くなろうとしているときに、何もできない賢治。
そんな戸惑いの中で「雪を食べたい」という娘の願いをかなえるべく、病室を駆け出す様子を描写した表現」
だそうです。

あとは、後半の太字
うまれでくるたて
こんどはこたにわりゃのごとばがりで
くるしまなぁよにうまれでくる

方言でわかりにくいですが
「今度産まれた時は自分のことばかりで苦しまないで、人のためにも苦しみたい」
という意味らしい。(ちょっと意訳が入っているような気もしますけど)

26歳の兄(賢治)と24歳で亡くなった妹。
死に際してのお互いの思いやる優しい気持ちがじ〜んときます。

久しぶりに読むと、やっぱりいい詩ですね。
宮沢賢治の文章って読みにくくて敬遠しがちだったんですけど・・・
改めて読んでみようと思いました。

永訣の朝―宮沢賢治詩集 (美しい日本の詩歌 11)
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kochiya_blog at 10:01|PermalinkComments(15)TrackBack(0)