ガラスのこと
2010年01月08日
江戸のガラス工芸 はじめて物語
幕府奥詰医師、渋江長伯(1760-1830)著の『鴨村瑣記』に以下の記述
「江戸にて硝子を吹き始めたるは、長島屋源之丞といへる者、初めて江戸に至り、吹き出したる由、其子孫今に浅草に住して、長島屋半兵衛といふ由。其頃尾張の赤津にて、硝子壷を焼きて出せりと也。それ故、今以て赤津にては硝子壷の事を、源之丞壷と唱へる也。半兵衛なるもの七十歳余の老人也。源之丞の孫なる由。是を以って見れば、宝永(1704-1710)、正徳(1711-1715)の頃にも始まりたるやらん。文化(1804-1817)六年、予上へ申上げて、シヨメール(注)といへる細工事を書きたる書を御買上げになし、阿蘭陀通辞馬場佐十郎を申立て、西洋の硝子吹方を和解して、西洋硝子製法書物三冊出来して、初めての阿蘭陀の水晶硝子を吹き出し、品々献上もなしたり。其時に硝子吹千右衛門といふ者、予が手に附きて、細工物などなしたり。源之丞の話は千右衛門語れり。」
(注)シヨメール:仏人ショメール『日用百貨事典』の蘭訳本"Huishoudelijk Woorden-Boek"で、動植物に関する項も多い。幕府天文方に設置された蛮書和解御用の事業として、翻訳が文化8年(1811)〜弘化2年(1845)頃まで続いた。
私がネットで調べた中では、これが一番古いかなぁ。
と思うのですが、どうでしょう?
1700年代初頭に江戸でガラス工芸が始まったのは、間違いなさそうですが・・・。
正しいとすると、今頃
「江戸硝子300周年じゃ〜!」
って盛り上がっていそうですが、そんな気配は微塵もなし。
幕府の医師がオランダの水晶ガラスを作り出し、献上しているという記述から
「渋江長伯っていうひとは、ガラス工芸に造詣が深いんじゃないかなぁ。」
って思うのですが、どうなんでしょう?
よくわかりませんね。
ちなみに当時の作り方は三宅也来の『万金産業袋(ばんきんすぎわいぶくろ)』に掲載されています。
(青字リンクは過去記事へ飛びます)
ただ三宅也来は京都の人なので、京都での作り方の可能性が高いです。
まぁ、江戸も同じようだとは思いますが。。。
疲れちゃったので続きは不定期に続く!
「江戸にて硝子を吹き始めたるは、長島屋源之丞といへる者、初めて江戸に至り、吹き出したる由、其子孫今に浅草に住して、長島屋半兵衛といふ由。其頃尾張の赤津にて、硝子壷を焼きて出せりと也。それ故、今以て赤津にては硝子壷の事を、源之丞壷と唱へる也。半兵衛なるもの七十歳余の老人也。源之丞の孫なる由。是を以って見れば、宝永(1704-1710)、正徳(1711-1715)の頃にも始まりたるやらん。文化(1804-1817)六年、予上へ申上げて、シヨメール(注)といへる細工事を書きたる書を御買上げになし、阿蘭陀通辞馬場佐十郎を申立て、西洋の硝子吹方を和解して、西洋硝子製法書物三冊出来して、初めての阿蘭陀の水晶硝子を吹き出し、品々献上もなしたり。其時に硝子吹千右衛門といふ者、予が手に附きて、細工物などなしたり。源之丞の話は千右衛門語れり。」
(注)シヨメール:仏人ショメール『日用百貨事典』の蘭訳本"Huishoudelijk Woorden-Boek"で、動植物に関する項も多い。幕府天文方に設置された蛮書和解御用の事業として、翻訳が文化8年(1811)〜弘化2年(1845)頃まで続いた。
私がネットで調べた中では、これが一番古いかなぁ。
と思うのですが、どうでしょう?
1700年代初頭に江戸でガラス工芸が始まったのは、間違いなさそうですが・・・。
正しいとすると、今頃
「江戸硝子300周年じゃ〜!」
って盛り上がっていそうですが、そんな気配は微塵もなし。
幕府の医師がオランダの水晶ガラスを作り出し、献上しているという記述から
「渋江長伯っていうひとは、ガラス工芸に造詣が深いんじゃないかなぁ。」
って思うのですが、どうなんでしょう?
よくわかりませんね。
ちなみに当時の作り方は三宅也来の『万金産業袋(ばんきんすぎわいぶくろ)』に掲載されています。
(青字リンクは過去記事へ飛びます)
ただ三宅也来は京都の人なので、京都での作り方の可能性が高いです。
まぁ、江戸も同じようだとは思いますが。。。
疲れちゃったので続きは不定期に続く!
2009年12月18日
お宝江戸切子

久しぶりに家飲みの真っ最中。
写真がタイトルのお宝江戸切子。
特に名前はないです。
あえて名づけるなら・・・
江戸切子 市松模様 冷茶碗 斉藤司郎作
ってところでしょうか。
でも、厳密に言うと江戸切子ではありません。
江戸切子と呼ばれるための条件に
<東京カットガラス工業組合に所属している職人がカットしていること>
という条件があります。
この市松模様をカットした斉藤司郎さん。
組合に所属していませんでした。
なので、厳密には江戸切子ではないのかも・・・。
まぁ、細かいことは気にせずに。
江戸切子のカット技法と、何も違いませんから。
それに私が個人で楽しんでいるだけで、誰に迷惑をかけるでもない。
江戸切子 市松模様 冷茶碗 斉藤司郎作
私のお宝です。
江戸切子か江戸切子じゃないか。
そこは江戸切子を扱うものとして、こだわるところではありますが・・・
この惚れ惚れする丁寧な仕事。
十分です。
実は市松模様って大変なんですよ。
グラスの曲面を四角く削るんですから、そりゃぁ大変です。
手間がかかるわりに、マニアックなのであまり見かけないですね。
だって手間に見合う値段で売れないんですもの。
この冷茶碗。
5客セットだったのですが、破損してしまった半端をもらったもの。
いま改めて作ってもらったら、1客10,000円でも作らないかも。
買わないでしょ?
江戸切子の製作風景の写真入過去記事参考までにどうぞ。
ガラス屋だけに熱くなってしまいました。
ここで話題を変えて、飲んでいるウイスキーのことをちょっとだけ。
写真のウイスキー。
新婚旅行でスコットランドに行ったときに買ったものです。
「もう古くて飲めないかなぁ」
と思ったのですが、まだまだイケます。
買うときには、ウイスキー博物館とかにも行って、ちゃんとお勉強してから買ったのですが・・・
すっかり忘れちゃいました。
でも美味しいですよ!
以上でウイスキーの説明はおしまい。
だって忘れちゃったんですもの。。。
江戸切子 市松模様 冷茶碗 斉藤司郎作
ですが、冷茶碗って分かります?
私はガラス食器屋になって初めて知った言葉です。
当たり前のようにガラス屋さんは使っていますけど、一般の方に分かるものなのでしょうか?
平たく言うと、
「お客さま用の湯のみをガラスで作りました!」
みたいな感じですね。
ガラスだけに、熱いものを入れると割れるので、冷茶碗。
桂離宮の松琴亭より
市松模様のふすま。

う〜ん、締めを考えていなかった。。。
桂離宮松琴亭、かっこいいでしょ!
江戸切子 市松模様 冷茶碗もいいっしょ!
ブログペット<酔っ払い>が書きました。
うそです。
2009年11月27日
焼酎のグラス

奏-kanade-
奏(カナデ)という名前を付けられたこのグラス。
焼酎を飲むために作られました。
(別に焼酎じゃなくてもいいけど・・・)
このグラスはどんな音色を奏でるのだろう。
色をみると、冬の海を想起させる深い色合い。
氷を入れると流氷のように見えるだろうか。
コタツでぬくぬくしながら、冬のオホーツクにトリップして心地よく酔うのだろうか。
氷を入れて焼酎を注ぐと、氷からなんともいえない音を奏でる。
飲みながらグラスを手の中でころがすと、高音のカランカランという音色。
音を楽しみ、酒を楽しむ。
贅沢ですね。
あ。ちょっと柄にもなく飛んでました。
クスリはやってないですよ。
読み返してもあまりかっこよく書けてないですねぇ。
向き不向きがあるのかなぁ。
やっぱり・・・・
奏 焼酎グラス 小 840円
奏 焼酎グラス 大 1050円
私の会社のショッピングページで大絶賛販売中!!のはず。
お時間ある方は、リンクのページをのぞいて見てくださいね。
安いけど、日本製の手作りですからっ!!
写真をみた感想もコメント欄で募集中。
遠慮ない感じたままの感想聞かせてください。
2009年11月20日
美の壷 切子

販売元:日本放送出版協会
発売日:2007-08
クチコミを見る
たまにはお仕事に関係ある本を読んでみました!
江戸切子ばかりかと思って買ったのですが、薩摩切子のほうがたくさん載っているというちょっと期待はずれな側面も・・・。
そして骨董ばかりで近代の事はあまり載っていない。。。
でもとっても参考になりました!
仕事に使うには情報量が少ないけれど、さらっと読めるので良いですね。
写真もきれいです。
江戸切子・薩摩切子に興味のある方、必見です。
すでに詳しい方にはおススメしません。
詳しくまとめたホームページを近々作る予定です。
「本を買うのがもったいない」
という方は、ホームページの完成をお待ちくださいね〜
写真じゃなくて本物がみたくなったなぁ・・・
という方は、
サントリー美術館へ急げ〜〜
六本木のミッドタウンにあります!
薩摩切子がたくさんありますよ〜
2009年11月05日
ボジョレ・ヌーボーと合うグラス -より美味しく飲むために-

販売元:Riedel (リーデル)
クチコミを見る
ボジョレ・ヌーボーと合うグラス -より美味しく飲むために-
ということで、食器屋さんらしくグラスのご紹介です。
弊社取扱商品ではないので、画像クリックで他のサイトに飛びます。
上のワイングラス。これが一押し!
なぜかアマゾンでセール価格になってますね

1個2,680円。
正規では3,300円位したような気がしますが・・・。
ボジョレ・ヌーボーは、若いワインのため香りがすくないのです。
ですから、小ぶりの卵型のグラスを選びましょう。
満水の1/3〜1/4くらいワインを注いで、スワリングします。
(スワリングは、グラスの中でワインを回すことです)
そうするとワインの膜がグラスの内側に出来て、グラスの中に香りが立ち込めます。
そこへすかさず鼻を突っ込む!
こうやってワインの香りを楽しむわけですが、ボジョレーは香りが薄いので小ぶりの卵型でないと、楽しめません。
大振りのグラスを満たすほど香りが立たないし、上がすぼまった卵型じゃないと香りが拡散してしまうのです。
小さすぎると香りが貯まらないので、小さすぎてもダメ!
で、「こんな高いグラス買えないよ〜」
という方はこちら1,785円。こちらもセールで1,428円。
ショット・ツヴィーゼル 『 ヴィーニャ 』 カベルネ/メルロー GTV496K
Yahoo!ショッピング(ヤフー ショッピング)
最初におススメしたグラスはクリスタルガラスです。
クリスタルガラスは、やっぱり輝きが違うと思います。
ワインをふだん飲まない方は、
「たまにしか飲まないなら、良いグラスでどうぞ!」
と思います。
たまにしか使わないなら、滅多に割れることないですからね!
ちなみに<リーデル>というブランドです。
次におススメしたほうは、ホテルやレストランで使われることが多い<ショット・ツィーゼル>というブランドです。
ホテルやレストランで使われるだけに、食器洗浄機にも使えて割れにくいです。
割れるか割れないかは、あまり重視しないほうが良いと思います。
ぶつける・落とすなどをしなければ、そうそう割れるものではありません。
ガラスの扱い方については、ガラスのお手入れという弊社ホームページで見てくださいね〜
(ちなみに説明文は私が書いています)
洗うときに気をつけて普通に使っていれば割れませんから!
最後に。
ご紹介したグラス2種類。
「ワインの初心者におススメのグラス」
ってワインとグラスの関係を教えてくれたソムリエが言ってました。
どんな種類のワインもそこそこ楽しめるオールマイティーなグラスだそうです。
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