2011年01月06日

反省から始まる2011

以前の記事で、
「祖母が私の名前を呼ばなくなった・・・」
と書いたところ、幸さんから
>介護の仕事をしていた為、認知症の方と過ごした時間は長いですが、「誰か分かる?」の質問はしない方が良いですが「○○だよ、久しぶりだね」と自分の名前をさり気なく教えてあげた方が、良いんですよね・・・
>そうだと思うけど、自信がない
>そんな時、どうしても声に出せないので・・・

というコメントをいただきました。

そこではたと気づく。
「自分は祖母と向き合っていたのだろうか?」
と。

祖母のベットは暖房が効いてTVもあって、訪問介護の人が来やすいように1Fにあるリビングに引越ししています。
ベットの隣には車椅子。
日常は車椅子に座って、ぼんやりと外を眺めているか、TVを眺めているか。

私が祖母の家に行ったときは、到着の挨拶で
「こんにちは〜
元気〜?」
と言ったあとは、祖父の仏間が来客用に襖が外されて二部屋つづきで広くなっているので、広い部屋を駆け回る子どもの世話をするために仏間にずっといました。
仏間は庭に面しているので、庭で遊ぶ子どもを見ているにも便利なんです。

でも、「子どもの世話」と言いながら、祖母の前に立つのを避けていたのかもしれない。

祖父は1月の初めに寝たまま意識を失って、2月中旬に意識が回復したあともずっと集中治療室に入っていました。
そして3月の上旬に病院のベットで他界したんです。

祖父が倒れるまでは、祖母と二人でデイケアなどに通いながら一緒に家にいました。
祖父が倒れたあとは、祖父の介護のために祖母は老人病院へ長期入院してもらうことになってしまいます。

祖父が入院してから亡くなるまで、祖母は不安な中で環境が激変したせいでしょうか。
それとも老人病院だけに、看護師さんがボケ老人のように扱うせいでしょうか。
周りの入院患者は酷い認知症の方が多かったですし。
きっと色々な要因がかさなっているんでしょうね。
祖母は塞ぎこんでいたり、意味不明な言動が目立つようになっていきます。

そのようななかで、祖父が亡くなりお葬式。
普段は見かけない遠い親戚や近所の人たちが、入れ替わり立ち代りで祖母を慰めていきます。

いま思えば、祖母の混乱は祖父のお葬式の間がマックスだったんでしょう。
私のことを涙ながらに違う名前で呼びながら
「ごめんね、ごめんね
○○にあげるって言っちゃったよ」
などとすがるように、意味不明なことを言っていました。
それを笑顔でうなずきながら聞いていたものです。

きっとそのときの恐怖というか怖れというのか。
祖母への複雑な感情が芽生えて、知らず知らずのうちに避けていたんだと思います。
お葬式以来、祖母の家には何度も行っていますが、基本的に祖母がいるリビングで過ごす時間は少なくなり、仏間で過ごしたり庭で子どもと遊ぶ時間が増えていたように思います。

しょっちゅう祖母宅へ行っている私の母から
「祖母はずいぶんボケてしまったよ・・・」
と聞かされていたせいかもしれません。
下の子が大きくなって、駆け回るようになって目が離せなくなったせいもあるのかもしれません。
それを差し引いても、祖母を避ける感情が無かったと否定することはできませんでした。

ですので、お正月に祖母の家に行ったときに幸さんのコメントを思い出して、リビングで車椅子に座る祖母の前にあるソファーにずっと座っていました。
祖母はうつむき加減で押し黙っている時間がほとんどなんですけど、時にはどうでもいいような内容ですが多少の会話もしました。

そして、ふと
「こちくんちゃん、男の子はまだ(できないの)かい?」
と聞かれました!
息子のことは覚えてないみたいだけど、私の名前をちゃんと認識しているじゃないか!!
そこで息子を呼んで
「ここに元気な息子がいるよ〜」
って祖母に紹介しました。
すると祖母は
「そうかぁ〜、よかったねぇ
娘ちゃんはちゃんと面倒をみてあげるんだよ〜」
と娘の名前も覚えています。

なんでも大袈裟に話しがちな母をちょっぴり恨めしく思いながら
「意外と祖母はしっかりしている」
ということが、もちろん楽観はできないのでしょうけど分かりました。
そして自分の中の微妙な感情も解きほぐすことができました。

そのような気づきのきっかけをくれた幸さんに感謝しきりです。
これからは祖母の家に行ったら、リビングのソファーを定位置にすることにします。
祖母は押し黙っていたり、寝ている時間が長いのですが、私はソファーに座ってボケーっとしているのは得意ですからね(笑)

幸さん、ありがとうございます。

at 11:15│Comments(18)TrackBack(0) 心の内面? 
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この記事へのコメント
1. Posted by o*hana   2011年01月06日 11:33
先日、ドラマ「新参者」でも同じようなテーマを扱っていました。
わたしも、すご〜く考えさせられました
家は同居だし・・・主人も一人っ子
将来は双方の親の面倒をみなくてはなりません
気を引き締めて
家族について向き合わなくちゃいけないって
思いました
2. Posted by まり   2011年01月06日 12:53
だんだんと介護の問題に耳を傾ける年齢に
なってきました。
主人の父は今は一人でがんばっていますが
いずれは私たち夫婦で見ないとって思っています。

今日はとっても良いお話を聞かせていただきました。すぐに反省して行動するこちくん、
ステキな方だと思います。
これからも、ちょこちょこ、顔を出して、どんどん
話しかけてあげてくださいね♪
3. Posted by sakura-sunsun   2011年01月06日 13:47
こんにちは〜!
とっても素敵なお話ありがとうございます。
刺激がない生活は、どんどん心を閉じ込めてしまいますよね。
だから周囲の人が気にしないといけないんだなっと思っています。
私の周りには今のところ元気な人しかいませんが、いつまでも元気でいてもらうために刺激を送り続けたいと思っています。
4. Posted by くろこ姫   2011年01月06日 16:06
怖いですよね・・
自分の顔を見て、全然わけのわからない会話をする。
良く知っている人のはずなのに・・
家は、商売なので、
今まで、何気ない会話をしていた人が、
自分の世界にいってしまって、
何を言っても、無反応・・・なんて言う人を、
何人も見てきています。

身内だったら、余計、どうして良いかわからないですよね・・・

でも、手をさすってあげるとか、何か、きっかけを
与えてあげると、ふっと、正気なのでは・・
なんていう、瞬間もあるのですよね・・・

わかっても、わからなくても、
こちくんが、接してあげる事は、とても、良い事
なのではないかな・・・
5. Posted by みゆきん   2011年01月06日 16:49
私に家にも認知症のばあちゃんが居ました。
最後まで面倒みる・・・それは言葉では言えない
母は戦ってました
色んな認知症があると思う
徘徊、雄叫び、トイレ・・・
認知症と言う言葉のない時代
誰にも理解されない
時として、罵声を浴びせるばあちゃん・・・
泣く母
最後まで面倒見て当たり前の昔
やって当たり前と言う日本の常識が今の日本を狂わせていると思ってます・・・・子殺し親殺し
本気で取り組めよ政治家さん
より暮らしやすい日本を
今の日本を築き上げたお年寄りを大事にしろ
でも大変なんだよね
次は私が認知症になるかもしれないし・・・
そうなる前に死にたいって思わせる日本
自殺者が増える日本
悲しい
こちくんや、幸さんみたいな素晴らしい人がもっと増えて欲しい・・・・。
話しがずれちゃったね(^-^;
6. Posted by ティーグ   2011年01月06日 19:01
こちくんさん、こんばんは(^_^)v

寝たきり、認知症、いつの間にか身近な問題になってしまってますよね。
もう十数年前から予想されていた超高齢化社会ですが誰もが問題を先送りしてきてここに来て一気に社会問題化してます。
私のところも義理の母が年末に施設に入りましたし、実の母親も最近かなり怪しい記憶力・・・
他人事ではないんですよね。
7. Posted by KAZOO   2011年01月06日 20:13
我が父は、実の母親(=私の祖母)に
「あの○○(叔父=父の兄)に似た人は誰だい?」

と 言われた事があります!

ドラスティックに言ったら

本人の認識能力が低下している時は
対峙する人間の感情なんてその人のエゴでしかない

そして

実は認知症とか何とか関係なく
全ての 人 においても同じ事では
8. Posted by ゆっきー   2011年01月06日 20:19
おばあさま、こち兄さんやお子様たちのこと
ちゃんと覚えていてくれたんですね*^-^*
私も、祖母が痴呆症になったとき「怖い」って思いました。
でも、祖母が亡くなった時には
『どうしてもっと祖母の近くにいなかったんだろう
』って、すごく悲しみました。
悲しかったのは、祖母の方だったんですよね。
9. Posted by mu.choro狸   2011年01月06日 20:46
親切なコメントに助けられて良かった。
私も後悔してる事があるんです。
友達のお母さんが90歳を超えててガンを患ってるから長くはないと思い逢いに行きました。
話してると「自分は120歳だから・・・」とか解らない事を言ってて適当に相槌を打ってたら納得いかない顔をしてて・・・・
で、次に行った時には顔を出せませんでした。もう他界されたのですがとても後悔しています。
私も将来長生きしてしまったら、その道をゆくのかなぁって「新参者」を観ながら悲しくなりました。
現実なんですもんね。
10. Posted by チャチャ   2011年01月06日 21:57
伯父が認知症になったとき、自分の名前を言うようにしていました。
老いは、必ずくるものです。
こちくんさんの持ち前の明るさをもって、前向きに過しましょう。
現実は現実ととらえて・・・・。
11. Posted by はやちゃん   2011年01月06日 22:01
決してお母さんがオーバーなのではないと思うんです、一概には言えないのでしょうが以前の状態と少しも変わらない時があれば、記憶がほとんど途切れている時も有るんですよ! 自分の本家の爺さんが、普通に話していたのに突然に山に行くと言い出し ももひき一つで山へ行くと・・・(このおじいさん若い頃は炭焼きをしていたのだそうです) この時に、初めてこの爺さんがボケていることに気付いたくらい普通に話していたんですよ
! 
誠実なこちくんですから、上手に対応できると思います、大事にしてあげてください^^
12. Posted by    2011年01月06日 22:07
うわっ
いきなりなんでビックリです

そうですか、お婆様と向き合えましたか
良かったです
私は祖母と元旦那の叔母さんを看取ってるのですが、仕事と身内では気持ちに差があるんですよね・・・
どうしても、元気でしっかりしていた時の姿を思い起こして、こんなハズでは・・・みたいな気持ちになることもありました。
けど、やはり私を大事に育ててくれた祖母は、93歳で亡くなるまで大好きなお婆ちゃんでした
こちくんも、幸せな時間を過ごしてください
こんなに記事で紹介されると恥ずかしいですが、
お役に立てて嬉しいです。
こちらこそ、ありがとうございます
13. Posted by かわい   2011年01月07日 06:05
よくわかりました。
お話しする大切さが…。
14. Posted by chianjyu   2011年01月07日 08:59
年明けに良いお話をありがとうございます。

昨年、夫の母が亡くなり、父一人になってしまいました。
また、我が両親もここ1年ぐらいでぐっと
年をとってしまって、
ちょっとしたことで簡単に転倒するなど、
本当に今までのようなただ甘えているのでは
いけないんだと、いろいろ考えさせられています・・・。

こちくんは、早く気がつけて
向き合えて良かったですね。
15. Posted by ↑邑   2011年01月07日 09:23
うちは父方母方両家の祖父が時を同じくしてダブルで認知症となりました。
人格も人相も変わり言語不明瞭、そして僕のことも全く分かりません。
元々祖父とはあまり交流がないので、苦労して介護している叔母への感謝の気持ちの方が強いです。

生来のいい加減な性分もあってか、何かにこだわることなく単純に予想の付かない会話を楽しんでいます。
病人ならずとも、会話は全ての人にとって有益な脳の滋養となるそうですが、僕はあまり気を遣ってないので祖父にとってプラスになっていないかもしれません。
16. Posted by 茶々   2011年01月07日 09:25
幸いいまのところそんな状況に置かれたことはありませんが、ウチも時間の問題だと思います。
ま、こういうことはそれぞれのケースがあるのでしょうけど、要は思いやりの心なのでしょうね。お互いに。
17. Posted by てっちゃん   2011年01月07日 17:38
良いこと 聞いたな〜

家も 両親 嫁の両親と

4人とも 健在だから

介護って 言葉も もうすぐかも。。。
18. Posted by かおり   2011年01月08日 07:55
私もお正月に、離れて暮らす祖母のことを家族で
話し合ったばかりです。
精神的にかなり弱っているようなので、ゆっくり
お話をする機会を作りたいな、と思いました。
まわりからの刺激も大切ですよね。
おばあさま、ずっとお元気でいてほしいですね。
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